







公共空間としての「図書館」の役割は社会の変化とともに大きく変わりつつある。単に本を読んだり、借りたり、調べ物をしたりというだけでなく、より広い意味での人びとの居場所として多様な市民活動の受け皿になる可能性や必要性が議論されるようになった。
築47年を迎えた瑞穂町図書館は、長年町民に愛されながらも建物の傷みが進行。リニューアルを機に町民ワークショップを重ね、これからの社会によりフィットする新しい図書館像のモデルとして改修設計に着手した。現行法規に適合させるため、3階建の建物の3階(と一部2階)部分を「減築」し、代わりに崖地に橋を渡すように木造棟を増築。隣接する中学校のグラウンドと新しい関係を築き、館内にはさまざまなタイプの座席やコーナーを散りばめた。地元にゆかりのある「大瀧詠一コーナー」には全国からファンが訪れている。
令和4年度 耐震改修優秀建築賞 受賞、令和5年度文部科学大臣表彰(子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体)