





IT技術を駆使してトマトやいちごの栽培を手がけるオーナーが新たに計画した、農業体験施設。栽培にとどまらず収穫の楽しみや調理加工の過程、そして絶景のなかでそれらを食するまでの一連の農業体験を味わえる新施設を「Greenarium」と命名した。オランダから輸入した巨大な農業用ハウス、そこに宙吊りにされる巨大ないちごのラック、センシング技術によりコントロールされるさまざまな仕組みなど、従来の農業のイメージを覆す仕掛けに呼応するように飲食施設をデザインした。隣接するトマトハウスから連続するようなメタリックなボリュームが地形に沿って緩やかにカーブして配置される。座席は屋内、半屋内、縁側デッキと三層になり、その奥には瀬戸内海越しに神戸の街の風景を望むことができる。フルオープンの折れ戸サッシにはあえてガラスを用いず、ホームセンターで購入したビニールシートを貼った。 一次産業の生産の場こそが、実は一番豊かで楽しく、教育的で、かっこいい。