





下町情緒豊かな荒川区町屋。既存不適格再建築不可の木造一軒屋を女性オーナーが買い取り、オーナー住み込みの下宿宿に改修することに。1階には共有キッチンダイニングとオーナー個室、2階には4つの個室を設けた。4室のうちの2室を長期滞在者用、2室を短期滞在者用としてミックス。2タイプの個室が並ぶことで滞在者のなかに自然で継続的なコミュニケーションや「先輩-後輩」のような頼りがいのある関係が生まれやすくなった。オーナーが同居する「下宿宿」というプログラムは宿泊客に安心感を与えて地元ならではの情報をたくさん得るばかりか、送迎や自転車の貸し出しといった細やかなサービス、下宿者たち自身がそれぞれ自国自慢の料理を振る舞い合うフードイクスチェンジといった楽しい時間が自然に生まれるようになった。オーナーとはレベニューシェア型の設計監理契約を結び、売り上げに応じた報酬を受け取る契約としたことで、設計者が開業後も運営に関わり続けている。