こどもたちよ、
きみたちにあやまりたい
街からきみたちの遊び場をなくしてしまったことを、あやまりたい。
川をなくし、高速道路をつくったことを、あやまりたい。
薬まみれの野菜が食卓に並ぶことを、あやまりたい。
馬鹿騒ぎできる場所をなくしてしまったことを、あやまりたい。
ひとりでごはんを食べさせていることを、あやまりたい。
夜空の星が見えないくらい街を明るくしてしまったことを、あやまりたい。
車がないと何もできない街をつくったことを、あやまりたい。
維持にお金のかかる街や建物をつくったことを、あやまりたい。
いままでなかった類の孤独を感じさせていることを、あやまりたい。
いつでもどこでも同じものを買えるようにしてしまったことを、あやまりたい。
木や草やたくさんの生き物たちをなくしてしまったことを、あやまりたい。
試験の点数だけできみたちの価値を計ったことを、あやまりたい。
手軽に人の心を傷つける道具を発明したことを、あやまりたい。
知らない人と関わらないよう強制したことを、あやまりたい。
冒険したくなる宝島をこの星からなくしてしまったことを、あやまりたい。
結果や効率だけを大事にする世界の仕組みをつくったことを、あやまりたい。
ほんとうにほしいもの以外のたくさんのものをつくったことを、あやまりたい。
すべてを時間で区切ることを、あやまりたい。
一部の裕福な人のためだけのルールをつくったことを、あやまりたい。
一生泳げない海や入れない森をつくってしまったことを、あやまりたい。
戦争をなくせなかったことを、あやまりたい。
大人になるのが楽しみな時代をつくれなかったことを、あやまりたい。
でも、これだけは伝えたい
街をつくるのもつかうのもすべてぼくたちだ。
もう一度奪還しよう。
いずれ立ち上がるきみたちの目印となるように、
ぼくたちはちいさな一本の旗を立てておく。